関連会社とは 子会社との違いと建設業グループでの位置づけ
関連会社は、出資や人事、取引などを通じて重要な影響を及ぼすことができる会社を指す会計上の概念で、支配関係にある子会社とは区別される。
関連会社とは何か
関連会社とは、会計上の概念のひとつで、ある会社が他の会社に対して重要な影響を及ぼすことができる関係にある場合の、その影響を受ける側の会社を指す。ここでいう「重要な影響」とは、経営方針の決定に対して一定の関与ができる状態を意味しており、議決権の保有割合のほか、役員の派遣、資金の提供、技術供与や取引上の依存関係といった実質的な要素を踏まえて判断される。
議決権の保有割合が判断の目安として用いられることは多いが、割合だけで機械的に決まるわけではない点には注意が必要である。保有割合が形式的な基準に届かない場合でも、役員が派遣されている、重要な融資関係がある、事業上の依存度が高いといった実質的な事情があれば、関連会社として扱われることがある。逆に、一定の割合を保有していても、実質的な影響力を持たないと判断される場合もある。
子会社との違い
関連会社と混同されやすい概念に子会社がある。子会社は、議決権の過半数を保有している場合や、それに準じる形で意思決定機関を実質的に支配している場合に該当するとされ、支配・被支配の関係にある点が特徴である。これに対して関連会社は、影響を及ぼすことはできるものの、支配とまでは言えない関係にある会社を指す。
この違いは、決算における処理の違いにも表れる。子会社は原則として連結決算の対象となり、親会社の財務諸表と子会社の財務諸表を合算したうえで、グループ内取引を相殺するなどの手続きを経て連結財務諸表が作成される。一方、関連会社については財務諸表を合算する連結の対象とはならず、持分法と呼ばれる会計処理を用いるのが一般的である。持分法では、投資している会社の純資産や損益のうち、保有する持分に応じた金額を投資額に反映させる形で決算に取り込まれる。
建設業グループにおける関連会社の位置づけ
建設業界では、単独の企業として事業を完結させるのではなく、複数の会社が連携してひとつのグループとして事業を展開する形態が広く見られる。設計、施工、資材調達、不動産開発、リフォームなど、事業分野ごとに別会社を設ける形が取られることも多く、その中には完全子会社として設立されるものもあれば、他社との共同出資によって設立され、関連会社として位置づけられるものもある。
具体的には、特定の専門工事や資材分野に強みを持つ企業との合弁会社、複数の建設会社が共同で事業を行うために設立した事業体、不動産開発や設計といった隣接分野に進出する際に他業種の企業と共同で設立する会社など、単独の子会社化にはなじまない事業を進める際に関連会社の形態が用いられることがある。こうした形態は、単独では負いきれないリスクを分散させたり、それぞれの出資者が持つ専門性や取引関係を組み合わせたりする目的で選ばれることが多い。
関連会社という位置づけが持つ意味
関連会社であるという位置づけは、その会社が完全に独立した存在ではなく、特定のグループとの間に継続的な関係を持っていることを示す情報のひとつとなる。取引先や金融機関がある会社の信用力や事業継続性を評価する際、その会社がどのようなグループに属し、どの程度の影響関係にあるかは、参考にされる材料のひとつとなり得る。
建設業のように、工事の完成までに長期間を要し、下請業者や協力会社との継続的な関係が事業運営の前提となる業界では、グループ内でどの会社が子会社としての支配関係にあり、どの会社が関連会社としての影響関係にあるかを整理しておくことが、グループ全体の経営管理や情報開示の観点からも重要な意味を持つ。
FAQ
関連会社とはどのような会社を指しますか
他の会社に対して重要な影響を与えることができる会社のことで、議決権の一定割合を保有している場合や、役員の派遣、資金の提供、技術・取引上の関係などを通じて経営方針に影響を及ぼせる場合に該当するとされる。
関連会社と子会社の違いは何ですか
子会社は他の会社に支配されている会社であるのに対し、関連会社は支配関係までは至らないものの、重要な影響を及ぼすことができる関係にある会社を指す。支配の有無という点が両者を区別する基本的な考え方である。
議決権の保有割合だけで関連会社かどうかが決まりますか
議決権の保有割合は重要な判断材料のひとつだが、それだけで機械的に決まるものではない。保有割合が形式的な基準に届かない場合でも、役員の派遣や重要な取引関係などの実質的な事情を踏まえて判断されることがある。
関連会社は連結決算にどのように反映されますか
子会社のように財務諸表を合算する連結の対象にはならず、持分法と呼ばれる会計処理によって投資額に損益の持分相当額を反映させる形で決算に取り込まれるのが一般的な方法である。
建設業界で関連会社の形態が使われる場面にはどのようなものがありますか
特定の事業分野を切り出した子会社との合弁、資材調達や設計、不動産開発など専門分野に特化した企業との共同出資会社、あるいは複数の建設会社が共同で設立する事業体など、単独の子会社化になじまない事業で用いられることがある。
関連会社であることは取引先にどのように影響しますか
直接の資本関係や取引条件は個別の契約によるが、関連会社としての位置づけは、その会社がどのグループの一員として事業を行っているかを把握する材料のひとつとなり、信用力や事業継続性を評価する際の参考情報として扱われることがある。