• 波多 海人
      日本海に浮かぶ小さな島が僕のふるさとです。人口は3千人ほどの小さな町です。この小さな町にも、隠岐神社のように古くに建てられて今まで大切にされてきた歴史ある建築物がたくさんあります。それを含めた島を代表する数々の観光地を目玉に、今、島をあげて全国にこの島をアピールして、もっと多くの人に見てもらおうと活動しています。その中で、私は大工になろうと思いました。そう思ったいくつかのきっかけがあります。
      1つは、最近問題になってきている高齢化で、島の大工が少なくなってきているからです。離島である僕のふるさとにとって、大工という役が欠かせないものの一つだと思います。しかも、島のアピールをするのにも必ず必要となる仕事です。観光施設の建設や実際に島に来られたI ターン者のための住宅建設など、いろいろな面で島のために仕事ができると思いました。
      2つ目は、大工という仕事は、建築物を建てることだけではなく、衣 ・食・住のうち住の面でたくさんの人を支えるという大きな役割を持っているからです。つまり安全な暮らしを提供するという責任があるということです。そして、そこにこの家を建ててよかったという大きな達成感や、やりがいを感じる一瞬もあると思います。建築主に「ありがとう」といわれることでさらに仕事にやりがいを感じると思います。
      僕が将来目指す大工像は、町の人から信頼され、後輩や子どもたちに目標とされるような人です。10年後、20 年後の町に大工になりたいと思う人が増えてくるといいなと思っています。この像に少しでも近づくためには、まず一人前の大工になる必要があります。でも、決して簡単になれるものではありません。それは経験がものをいう職業だからです。学校の勉強はもちろん、就職してから基本的な技術をこつこつと身につけ、ひととおりの仕事ができるようになったらふるさとのために働くつもりです。
      私が生きてきた16年というスパンは、まだまだ人生の一部にしか過ぎないものだと思います。それでも絶対に信念を曲げず、自分で決めた大工という未来に歩んでいこうと思います。そしていつか、ふるさとのために、ふるさとの人たちのために汗を流し、「一人前になったな」と言われるように、日々励んでいきたいです。