• 小野 瑞貴 出会いから夢へ
     「この人の元で技術を学びたい。」
     私はあるテレビ番組で見たひとつの会社に心を奪われた。建築大工の会社は全国にたくさんあり、これまでたくさんの大工の会社に関わるテレビ番組を見たことはあったが、この時のように心を奪われたのは初めてだった。
     私はその親方の弟子への指導の仕方や人柄に惹かれたのだ。
     私がその会社を知るきっかけとなった番組を見たのは、高校一年の五月のことだった。
     その頃の私はまだ高校に入ったばかりで、ただ漠然と私は大工になるんだ。と考えていた。けれどその番組で親方を見てからは、自分の建てた家で人を笑顔にしたい。私にしかできない技術でたくさんの人々に必要とされる職人になりたい。そしていずれは棟梁になりたい。と思うようになった。この三つは言わば私の夢だ。私は三つの夢を叶えるため、私の尊敬する親方の元で頑張りたいと思っている。
     高校卒業後、親方の元へ行って技術を学んだとして五年後・十年後はきっと大工としてはまだまだだと思うが私個人としてはきっと今より大きく成長できていると思う。今、学校で建築についていろいろなことを学ぶたびに、新しい知識を得ることができ、少し成長した。と思うことがあるのだから、社会に出てから学ぶ専門の知識はもっと大きな力になっていくと思う。
     一番大きな夢である棟梁になるということは、叶うまで何十年かかるかわからないし、最後まで叶わないまま終わってしまうかもしれないが、私は絶対に諦めない。今はまだ女性棟梁は全国的にも少ないけど、女の人にしかできない考え方や物の見方などが必要になり、そこから最高の建築が産まれることがたくさんあると思う。だから私は、自分なりの目の向け方のできる大工になれたらいいなと心から思う。
     私の両親は、私がその親方の元へ行くことを賛成し、応援してくれている。そんな両親のためにも私は夢を叶えなければいけないと思う。
     そして私は今年、自分の思いを手紙に託した。その結果この高校二年の夏休みにその親方の仕事を見学させてもらえることになった。
     今の私にできることは自分の気持ちを素直に伝えて弟子として取ってもらえたらと心から思う。
     私にとってこの夏休みは、今までにない大切な夏休みになると思う。夏休み後も自分の力を少しでも伸ばせるよう、毎日努力していきたい。
     自分の思いや考えを自らの力で形にし表現できる特別な仕事である大工。
     そんな大工の一人になるために。
    「私は必ず夢を叶える。」