新分野進出の留意点は

本業だけでは経営が厳しいので新分野進出を考えていますが、建設業者の新分野進出の動向と留意点を教えてください。

自社の強みと世の中のニーズの接点で

 建設投資が減少するなかでの生き残りを賭け、建設業者の新分野進出が多く見られるようになっています。たとえば、
長野県が県内の建設業者を対象に行ったアンケートでは、28%の業者が新分野進出にすでに取り組んでおり、33%が今後進出を考えているという結果でした。
「進出した」か「進出を検討中」の業者は合わせて61%で、進出を考えていない業者36%を大きく上回っています(長野県土木部「建設業の構造改革に関するアンケート調査」)。
 これは2003年の調査ですが、国土交通省を中心に国や地方自治体によって新分野進出が促進、支援されていることもあり、目的はさまざまですが、新分野進出はさらに進んでいると考えられます。
 進出先となっている主な分野は、独自技術や専門性を生かした、維持補修事業など本業周辺分野、付加価値のある農業・漁業、拡大する環境志向と環境規制の強化が追い風の環境・リサイクル、高齢化で市場が広がる介護福祉やシルバービジネス、地域での信頼を生かした小売業やコミュニティビジネス、ITを活用したビジネスモデルなどです。
 しかし、慣れない新分野に進出して失敗する業者も少なくありません。そこで、ここでは留意すべき点を3つあげておき
ましょう。
(1)社会のニーズを見極める
自社にとって新分野でも、世間ではすでに成熟した事業で、新規参入がむずかしいことがあります。
(2)「好きこそものの上手なれ」
新分野といってもまったくのゼロからの出発より、自社の「強み」を生かせる分野、経営者が過去に慣れ親しんでいた好きな分野に乗り出すのが望ましいでし ょう。自社の得意技と消費者のニーズの接点に、成功があります。
(3)「小さく産んで大きく育てる」
新分野進出はリスクをともなう挑戦です。リスクを避けてばかりとういわけにはいきませんが、本業が不振なうえに新分野で大赤字となれば経営が傾いてしま います。他社との連携などリスクのシェア(分け合い)も図りながら、まずは手堅く始め、ノウハウと成功体験を蓄積していきましょう。新分野へ進出した建設業者を対象としたアンケートでも、「他企業との共同研究・開発」をしていると答えたのは45.5%を占め、「販売を外部と共同で実施」が22.7%、「製造を外部と共同で実施」が20.5%、「連携していない」はじつに2.3%とわずかでした(『地域における中小・中堅建設業の新分野進出・経営統合等促進モデル構築支援事業』(財)建設業振興基金)。
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