決算しないと利益が不明
現金主義で経理処理をしているため、決算を締めないと利益がわかりません。どうすればいいでしょうか。

御社の問題は、期中において、入金は未成工事受入金で、原価は未成工事支出金で処理していたため、決算を締めなければ利益が判明しないことにあります。仕事が十分にあった頃なら良いのですが、工事量の激減から利益率が下がった近年の状況下で、1年経たなければ利益が判明しないという財務管理体制では不都合が生じます。実際は利益が出ていないのに利益が生じたと勘違いして、設備投資したり賞与を出したりする恐れがあ
るからです。また、利益だと思って納税したあと「実は赤字だった」とわかっても、いったん納めた税金はなかなか戻ってきません。
対策としては、建設業専用の財務管理ソフトを使い、原価管理をしながら月次利益を計算していくか、原価管理ソフトを利用し、その未成工事支出金や受入金の残高を引用して試算表の残高を修正し利益を計算していくことをおすすめします。いずれかの方法で、タイムリーに利益状況を探りましょう。
新しいソフトを導入すると操作方法がよくわからず、使いこなせないままお蔵入りという話を聞きますが、経理はどうしても必要な業務なのでお蔵入りというわけにはいきません。経理の取引は、3カ月程度行うとほとんど同じ仕分けの繰り返しになるので、まずは3カ月間頑張ってください。
また、工事完成後数カ月してから工事原価の請求書が届くケースがたびたびあって困るということですが、これも財務管理上不都合が生じるケースです。請求書が遅れるのは大工や小規模な外注業者です。現場代理人は自分が担当した現場について、どの業者が請求書を出していないか把握していますので、現場代理人を指導し、聞き取りすべきです。