本サイトはこれまでに寄せられた経営相談のうち、
多くの事業者の方々にとって参考になると思われる相談回答例をまとめたものです
経営相談Q&A
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アドバイザーから
/ 神谷 正紀
厳しい時代を生き抜く
「資金管理」
国や地方公共団体の財政悪化を背景として公共工事が大幅に削減され、建設企業の財務内容が悪化しています。具体的には、工事量の減少と工事ごとの利益率の低下の二重苦により、損益が大幅に落ち込むとともに資金繰りに窮する状態です。こうした苦境を乗り超えるには、利益管理とともに資金管理が重要です。
売掛債権を担保に融資を受けたり、前払金を依頼し資金を確保する一方で、工事原価等の支払いは手形を使って資金の流出を先延ばしにしているケースが多々見られます。こうした場合には、受注が落ち込んで入金額が減っても、支払いについては従前の工事量に基づく資金流出が続くので、資金繰りが一気に切迫することがあります。獲得利益以上の借入金返済による資金流出により、資金繰りが苦しくなるケースもよく見られます。
そこで、資金状況の良否を判断する経営資料の作成と分析がぜひとも必要になりますが、工事ごとの入出金が大きく変動する建設企業では、今後数カ月の資金状況を表した「資金繰り表」がもっとも適した資料といえます。資金繰り表を通じて、今後数カ月において資金不足が発生しないか確認することができるからです。
資金繰りの改善には、次のような方法があります。
@赤字部門や赤字営業所等の切り離しや廃止、地域的な撤退などを検討し、黒字部門や黒字営業所等による経営継続を模索する。
A値下がり不動産や有価証券を早急に売却処分し、その売却金額をもって借入債務等を圧縮することで、今後の資金流出額を減額する。
B実行予算の立て方や予実管理の方法の検討、工事量に見合った余剰人員の削減、自社施工と外注の使い分けなどによって、減少した工事量でも経営継続が可能な資金状況を模索する。
いずれにしても、資金繰り改善のために取り入れられる方法はすべて検討し、着実に実行することが必要です。
神谷 正紀
長野県税理士
(株)神谷経営総研代表。長野県建設業協会上小支部で「建設企業クリニック」を開催し、経営改善の相談を受けている。長野県建設業協会「建設業経営改善・再生・再編等調査検討委員会」の委員を務める。