




「星の郷」井原市美星町に豊富にあるクワ・クヌギを用いた「星の薪」
事務所に設置した薪ストーブ。柔らかい暖かさが特徴である

坂川建設鉱業(株)は、地元森林組合と連携を図り、環境に優しい燃料である薪の生産・加工・販売に乗り出した。これにより所有する山林や就業者を有効利用でき、また薪ストーブの設置工事と併せることにより、顧客とのパイプを築き、リフォームや造園などの受注工事につなげていく。
環境にやさしい薪ストーブに注目し、地元資源を活用
地域密着企業として地元資源を活用しながら地域社会に貢献できる新規事業を模索していたところ、森林組合が薪の取り扱いを個人に委託してしていることに目が止まった。最近の約10年間で薪ストーブの需要が約2倍に増加していることに加え、社長や会社が所有する山林から薪の産出が可能であったことから、新規事業としての見通しを立てることができた。

原木を秋から冬に伐採、春に運搬・乾燥するサイクルを構想
人員や山林の面で大きな問題はなかったものの、春から夏に伐採した原木は水分が多く、薪としてB級品にしかならない。そのため、秋から冬に集中的に伐採し、春以降に運搬、乾燥を経て、冬に出荷するサイクルを確立することを構想している。販路については、ホームページやダイレクトメールを活用する。

薪を生産し、薪ストーブの設置も実施する事業
同社は、周辺に豊富にあるクワ・クヌギなどから薪を生産・販売し、薪ストーブの設置工事と合わせて相乗効果を生み出す事業に取り組む。同社の地元である岡山県井原市美星町には、国内最大規模の公開天文台があり、星の郷として有名なこともあって、販売する薪を「星の薪」と名付ける。薪ストーブの設置工事にかかる費用は約100万円で、煙突も必要なため、ターゲットとする主な顧客は、富裕層や団塊世代の戸建て住宅及び戸建て型店舗(理髪店など)とする。

山林・薪ストーブの専門家と連携
人員面で余裕があることもあって、坂川社長を総括責任者としながら、ほぼ全社員で本事業に携わる。また、地元の森林組合と連携して、薪の相互供給を図るほか、薪ストーブの専門技術を持つ複数の企業やログハウスビルダーなどとも情報交換を行う。今後は、生産する薪に付加価値を付けるため、大学との連携も図っていく。

薪ストーブをトータルでサポートできることが強み
薪の生産と薪ストーブの設置工事の両面を実施することが可能で、いわば「薪ストーブをトータルでサポート」できる点が、最大の差別化戦略といえる。それはまた、顧客の家屋のリフォームや外溝工事など、本業の活性化にもつながる事業でもある。

今後は販路を確立することが最重要、社員にも自覚が出てきた
販路を拡大する決め手となるホームページの作成が多少遅れ気味であるものの、おおむね順調に進行している。想定される主な顧客層は、これまで同社とはあまり接点がなかったため、販路拡大は重要な課題となる。今後は例えば、理髪店や理容組合との連携や、社員一人ひとりの口コミによる営業なども活用していく。最近は本事業によって社内が活性化し、社員に自覚が生まれつつあるため、見通しは明るい。
