選定年度
NO20-019
事業者より
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取組テーマ

従来の茅より燃えにくいエコ茅キット試作品

茅葺きに使用する茅と吉村代表取締役

「燃えにくい茅(かや)」を規格化したエコ茅キットの開発・製造・販売
株式会社茅葺屋根保存協会(栃木県下野市)

日本の風土に育まれ、安らぎと郷愁を与えてきた茅葺(かやぶき)屋根だが、「燃えやすい」という難点があった。その難点を克服したのが「エコ茅キット」。独自の技術、技能を持つ中小企業4社が連携して、水に強い難燃剤の開発に成功。量産化を通じて雇用の創出と地域経済の活性化を目指している。

1.事業の背景と動機

「燃えやすい難点」の克服目指し(株)吉成産業との連携で活路

茅は古来から民家や神社の屋根を葺くのに用いられ、近年は景観維持や健康管理の観点からも見直されている。だが、燃えやすいため建築基準法で新築が制限されてきた。(株)茅葺屋根保存協会は茅葺文化の継承を図りつつ、葺替工事の施工や煙燻蒸装置の開発で屋根寿命の延命を図ってきたが、焦眉の課題が「不燃、難燃茅」の開発であった。平成19年、同様の研究を続けていた(株)吉成産業と出会い、同社との連携から往年の難題を解決する糸口が見えた。

2.進出時の苦労やその対応

水に流れない難燃剤づくりに苦心 工程管理や販路も課題

開発では、ホウ酸系薬剤を用いた難燃剤が水に弱く流れてしまうなど、難燃処理の薬剤づくりに苦心した。(株)吉成産業との連携でその点がクリアされた後は品質の均一性確保が課題になり、機械化や工程管理に取り組んでいる。

3.新事業の概要

「水に強い難燃剤」を開発し施工からものづくりへ進出

本事業は、関連する技術などをもつ中小企業が連携することで、燃えにくい茅を工業製品「エコ茅キット」として完成させる加工技術を確立し、雇用を創出して地域活性化を図るものである。従来の難燃剤はリン酸やホウ酸を用いていたが、水に弱く、風雨にさらされる屋根には向かなかった。今回、茅の中で化学反応を起こし固形化させることで、雨が降っても流れ出さない製品の開発に成功。建設施工に限定されていた事業を製品製造分野にも広げるのも狙いである。

4.事業の推進体制

4社で連携、新会社も視野に

難燃薬剤の技術を持つ(株)吉成産業(徳島)、器材設計・製作の有)仁平製作所(栃木)、市場開拓・企画力を持つ(有)SS創造研究所(栃木)の3者をパートナーとして連携。同社では現社員で対応しているが今後専属部署を立ち上げ、量産の目途が立てば新会社を設立する予定である。

5.差別化戦略・競争戦略

やや高価だが、すぐれた品質やメリットを訴求

エコ茅キットは従来の茅の1.3倍の価格だが、製品の性能が優れていること(難燃性、火災時に毒性ガスが出ないこと、環境・人体への影響がないこと等)や、耐火設備の設置(文化財1棟当たり約3,000万円)が不要になるなどの点をアピールして差別化を図る。販路拡大には、モデルハウスづくりやJIS規格取得を目指す。

6.成果と今後の課題

本業との相乗効果に期待、展示会にも参加

モデル事業に選定されたことで、社員の士気が高まり本業も活発になっている。新事業が軌道にのれば、茅替工事との相乗効果が期待できるものと考えている。
今後は、各種試験を繰り返し、製品化を図るとともに、(有)SS創造研究所に依頼して市場調査も行ったうえで、量産計画を立てる予定である。優れた品質をPRしていくため、展示会等に積極的に参加、インターネットでも広報するほかマスコミへのパブリシティも計画している。

株式会社茅葺屋根保存協会
  • 代表者
    吉村 潤(代表取締役)
  • 所在地
    栃木県下野市
  • 資本金
    1,300万円
  • 従業員数
    8名
  • 事業内容
    茅葺屋根葺替・維持管理を主たる業務として平成8年設立。社寺・民家・文化財等の茅葺建物の設計・施工及び移築・復元・修理を行なう。
  • URL
    http://www.kayabuki.co.jp/