選定年度
NO17-008
事業者より
・・・
取組テーマ

男鹿市宮沢地区に設置した50mの観測塔での風況調査

観測塔に設置される計測器

大型風力発電所建設の可能性を評価するための風況調査事業
株式会社加藤建設(秋田県男鹿市)

(株)加藤建設は、大型風力発電所の建設に必要な風況調査に着手、用地取得、設計・施工、メンテナンス事業までを請負うことを計画し、新事業にチャレンジする。多くの県外企業が風力開発を進める秋田県で、地域密着型の建設業が市民の協力を得ながら地球環境の維持に取り組む事業として、周囲の期待も高まっている。

1.事業の背景と動機

市民風車建設の出資者説明会への参加が契機

以前から自然エネルギーに興味があった加藤社長が隣町の市民風車建設の出資者説明会に参加し、風力発電事業に興味を持ったことがきっかけとなった。地元男鹿市内で独自に風力発電事業を行なうプランを描くことができれば、風車建設に関連する工事の受注や、最低でも17年継続(東北電力管轄)される維持管理業務に関与できる。長期にわたり仕事が確保されることを期待して、風力開発事業への参入を決意した。

2.進出時の苦労やその対応

買電価格の下落、住民対応、漁業権保証など山積

唯一の売電先となる東北電力(株)が電力の買取りを中断している状況にあったため、調査と事業化の準備に要する金銭的負担とモチベーションの維持に苦心した。また電力の買取り価格の下落、住民対応、漁業権保証の検討、生態系調査の実施など、克服しなければならぬ課題は山積している。

3.新事業の概要

大型風力発電所建設のための可能性調査

男鹿半島北東部沿岸に大型風力発電所を建設し、発電事業を行う計画の有効性と可能性を評価する風況調査事業に取り組む。1,500KW級の大型風車を建設する計画に必要となる風況データを継続的に採取するため、社有の遊休地に50mの観測塔を建設、3箇所に計測器を設置して24時間の風況を最低1年以上かけて観測する。現在までに風況特性、エネルギー取得量、経済性の検討を終え、事業化の目安になる秒速6mの好条件であることも確認されたため、市民風車方式などの事業形態を検討しながら、事業化への手続き段階へ移行する予定である。

4.事業の推進体制

専門的な知識を補完するため外部に協力を依頼

風況データの解析委託及び業界情報の収集先として、風力発電の総合コンサルタントである(株)システムズに協力を依頼し、専門的知識を補っている。現状の調査は、社内風力発電部の社員が担当しているが、事業化決定後には、電気管理者などの専門技術者を雇用し、また機械メンテナンスの専門知識と技能習得のために、ドイツなどの風車メーカーへの社員派遣・研修を予定している。

5.差別化戦略・競争戦略

地元企業ならではの情報収集や住民との関係

地元に根付く企業だからこそ把握できる地域状況を含め、情報が入手しやすい立場にある。地元住民との良好な関係を前提に、風力開発事業は進められなければならないが、その点でも地の利を活かして活動できることが差別化のポイントである。

6.モデル事業選定後の進捗

東北電力(株)の風力開発業者選定に応募

モデル事業後、調査地点を変更することとなったが、風況調査の結果、良好なデータを確認することができた。そこで平成19年度には、東北電力(株)が募集する風力開発業者選定にも応募。一基準を満たし抽選資格を得るが、割り当てられた実施場所の条件や資金的な問題が折り合わず、残念ながら見送ることとした。
ただその後、風力開発に実績のある事業パートナー(デベロッパー)を得たこともあり、市民風車建設の事業形態を検討しながら、次回の募集に向け準備を重ねている。

株式会社加藤建設
  • 代表者
    加藤 正己(代表取締役社長)
  • 所在地
    秋田県男鹿市
  • 資本金
    2,000万円
  • 従業員数
    42名
  • 事業内容
    一般土木工事、法面処理、舗装工事、港湾土木工事、建築工事。
  • URL
    -